ピタゴラスのコンマ

 ピタゴラスと言えばみなさんは、三平方の定理を思い起こすでしょう。彼はギリシャ時代の数学者です。このページは音楽に関するお話です。

 さて、いまここに、チェロと言う楽器があるとします。この楽器の調弦は、上からA,D,G,C(ラ、レ、ソ、ド)となります。いま、一番低い弦C(ド)のちょうど真ん中を指で押さえて弾いてみると、1オクターブ高いC(ド)の音が出ます。今度は、弦の長さの2/3のところを押さえて弾くと、開放弦の1オクターブと5度上のG(ソ)の音が出ます。さらに、2/3のところ(全体の8/9)を押さえて弾くと、先ほどのG(ソ)より1オクターブと五度高いD(レ)の音が出ます。
このようにして、全体の26/27、80/81、…の場所を押さえていくと、理論上 A(ラ),E (ミ),H(シ),Fis(ファ#),Cis(ド#),Gis(ソ#)、 Dis(レ#),Ais(ラ#),F(ファ),C(ド)となり元のC(ド)に戻ります。実際には、開放弦の19オクターブ上のC(ド)です。このあたりの音は、もう人間の耳には聞こえません。この音は、理論上、開放弦のなんと531440/
531441のところを押さえたことになります。

 一方、開放弦の1/2, 3/4, 7/8, 15/16, の場所を押さえていくと、1オクターブずつ高いC(ド)の音が得られます。19オクターブ上のC(ド)の音は、524287/524288のところです。

 それぞれの数は、小数にすると、それぞれ 0.999998118…と 0.999998092…であり、ほとんど差はないのですが、この差を、ピタゴラスのコンマといいます。

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